Archive for 15th 4月 2013

フィギュアスケート世界選手権2013(4):アイスダンスFD

今日こっちの放送でハンシン.vs.DeNAみたのですが、ローカル的なアグレッシブな実況がきけておもしろかったマイク松ですこんにちは。ニシオカがいい走塁で3塁にいったとき、実況が「もうなんならホームまで帰ってやろうかという勢いの」っていってました。なんならがいい。

さて、忙しくてさっぱりレビューの進まないフィギュアスケート世界選手権。休日で時間がとれたので、アイスダンスFDレビューしたいと思います。そしたらえらい演技がみられたのです。

フィギュアスケート世界選手権2013、アイスダンスFD。実況は小林さん、解説は滝野さん。

日本のリード姉弟からスタート。ビートルズ「アビー・ロード」。CuLiのなめらかさはとてもいいし、RoLiも安定してます。ツイズルはタイミングがずれてしまいました。CiStはちょっと短いと滝野さん。曲がそうなので仕方ないですが、テーマがわかりづらいのできついかも。後半はリフトで盛り返してました。しっかり自分たちらしさは出せてたかも。129.94。

アゼルバイジャンのズロビナ・シトニコフ。いきなりシトニコフがどしどし殴られるというすごいおもしろいプログラム。やるな!コミカルさを前面に出しながらもスピードを出してます。RoLiはダイナミックですしお互いの視線のやりとりが明快ですね。またきつくあたられてしょんぼりしながら曲が変わります。CiStはエッジを深く使ってますがもっとなめらかさがほしいところ。ツイズルは苦手なのかあんまりうまくないですね。SlLiは豪快なポジションでした。ノーハンドホールド。DiStもステップでもっとスピードがほしいです。最後はまたうかれモードに。なんかおもしろそうなカップルで好感が持てました。141.44。いいプログラムをズーリンにつくってもらってます。

リトアニアのトビアス・スタグニウナス。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。ツイズルはまずまず高速。つなぎ部分のステップも工夫されてますし、ここでDiSt。リズムに乗っていきたいところ。RoLiはすごい速い!飛んでいきそうでした。CuLiのポジションがすばらしく、曲の変化をうまく表現してます。CiStになるとスピードが落ちます。SlLiにしてもこのカップルのリフトは昔のダンスらしいいいポジションのリフトが多いですね。トビアスの表情がいい。技術はまだまだですが期待できるカップルです。141.64。パーソナルベスト出してうれしそう。

スペインのウルタード・ディアス。序盤からみせるテクニックをしっかりみせたあとで、あのかにみたいなポジションに組み合わさるリフトをその場でおこなうというアイディアが。いいですねー。ツイズルはまずまず、スケーティングは発展途上ですが、楽しめるプログラムで、2人の関係性が物語を作ってます。SlLiの流れもいいし、MiStでも視線の使い方がうまい。そこからいいポジションのダンススピンと、すごく工夫されたプログラムです。ウルタードのいい表情とディアスの安定したホールド。スペインは今すごくフィギュアスケートが育ってますけど、このカップルもその流れに乗っていきそう。最後のCuLiもエッジワークがおもしろかったです。131.28。そういえばデュブレイユ・ロウゾンの弟子なんですね。道理で。

イタリアのギニャール・ファブリ。きびきびしたダンスから入ります。SlLiはスピードをキープしてます。理想的なリフトだと滝野さんも評価。DiStもスピードに乗って入ってますね。詰め込みすぎず自由にやればいいのにという滝野さんの指摘には賛成です。ツイズルからRoLiはちょっと遅れてるか。音楽が変わってCuLiのポジションもいいです。技術がしっかりしているだけにもっといろんな演目に挑戦して幅を広げていってほしいですね。140.95。

第2グループ。

フランスのキャロン・ジョーンズから。ジャック・ブレル「懐かしき恋人たちの歌」。まずはリフト連発。キャロンのポジションはきっちりしてていいです。ジョーンズもワンハンドで振り回す。StLiのポジションが独創的。ステップにもっとスピードと流れがでてほしいですね。表現はよくできているだけに、すいすいいければいい感じになりそう。145.98。リフトのタイムバイオレーションをとられたか。

ドイツのジガンシナ・ガジ。ガジおじさんすごい格好で出てきたと思ったら、テーマがゾンビらしいです。もうすでにゾンビの演技に入っているガジおじさん。仕上がってないときは気味悪いばっかりだったと滝野さん。しかし今はゾンビの演技がすばらしくできてます。ツイズルも無難にこなしました。ゾンビなのにスピードがある。CiStもゾンビなのにしっかりとしたエッジワーク。そしてすごいおそろしい表情のガジおじさん。ダンススピンも音楽にあわせてるし。さっきから滝野さんが「とぼけた感じなのにうまい」「このテーマにかえってよくあってる演技」としぶしぶ評価しているのがおもしろい。SlLiもガジおじさんの表情が最高。こんなエンターテイナーだったとは。カナダのお客さんもだんだんのってきましたよ。おもしろリフトでフィニッシュ。やりました!これはすごい!ある意味記憶に残りまくり!歴史に残る演技。滝野さんも「今までは演技に足が追いついてなかったが、今日は完璧」と成長を評価。キスクラでコーチも爆笑してました。154.27。会心の出来!

ウクライナのエイキン=ケネディ・ドゥン。ツイズルはよくあってました。ドゥンの指先までの演技がとてもいいし、SlLiはいいポジション。DiStはちょっと足をつきました。RoLi+RRoLiもうまくいきました。CiStもちょっとスピードが落ちてしまいました。タンゴの部分はよくできてましたね。もっと表現面の演技を磨いて、物語を出してほしいところ。141.88。

カナダのギルス・ポイリエ。「ワイルド・スピリッツ」。滝野さんによるとスケーティングが力強い伸び盛りのカップルだそう。CiStはよく音楽を捕らえてるし、SlLiは大きなリフトになってる。CuLiは思い切ったポジションチェンジがすばらしい。ポイリエのパワーあふれるホールドがいいです。と思ったらツイズルで転倒をとられてしまいました。うーん。StLiはまたパワーあふれるホールド。ダンススピンも軸がしっかりしてますね。MiStも流れのあるステップでした。あの痛いミスはきついですが、これからのびていくでしょう。140.02。

ロシアのリアザノワ・トカチェンコ。「ゴッドファーザー」。SlLiからなめらかなスケーティングをアピール。このへんはさすが。DiStもスムーズです。RoLiはすごい速いローテーションでした。音楽によくあわせたダンススピン。ツイズルもしっかり成功。お互いの距離が一定だと滝野さん。SlLiはスピードをキープできてるし。DiStのあとはさらに加速して、また高速RoLi、ChLiでフィニッシュ。曲の雰囲気をしっかり表現した、いい演技でした。149.78。

ガジおじさんトップのまま第3グループへ。インタビューしてましたが、ガジおじさんの声めっちゃハンサムでした。

イギリスのクームス・バックランド。高速ツイズルがばっちりあってました。のっけからいいテンション。SlLi+RoLiをしっかり。演技にキレがあって、必然性があります。MiStはエッジワークがさすが。トップテンに入ったなって感じですね。ダンス部分ではしっかりアピールしながら、ちっちゃいクームスの身軽さをよくいかしたCuLi。ダンススピンはプログラムと違ったのか、流れが切れてしまいました。何とか最後までやりましたがもったいない。どこか痛めたんだろうか。途中までは最高だったのに。145.71。

ロシアのイリニク・カツァラポフ。SPでいい点が出せず巻き返したいところ。「ゴースト」。ツイズルは回転が速い。大きな流れのあるダンスステップからCuLiはポジションチェンジで足をついてますね。ダンススピンは加速していましたが、次のポジションにいけませんでした。うーんきつい。ステップ部分はすごく雰囲気を出してましたし、SlLiもしっかりできていました。クライマックスに向けて感情の動きをしっかり表現。細かいミスが多すぎましたね。うーんもったいない。157.52。お通夜キスクラ。

アメリカのシブタニ兄妹。「SAYURI」より。ダンススピンも軸ばっちりでスムーズ。RoLiはテンション高い高速ローテーション。しっかり大舞台に向けて仕上げてるみたい。ツイズルも非の打ち所がない完璧シンクロ。すばらしいです!CuLiの移動もスムーズ。観客も引きつけられてますね。CiStも難しい曲に寄り添うようなステップ。なめらかなエッジワークで氷の音が聞こえないと滝野さん。SlLiからクライマックスへ。DiStも足が近くてスムーズ。RoLiのポジションもよかったです。よっしゃー!この演技はベストでしたね!積み上げてきたものを出せました。157.71。よかったよかった。滝野さんはもっと出せるやろと主張。

アメリカのチョック・ベイツ。「ドクトル・ジバゴ」。CuLiはすごいポジションチェンジ。チョックが足に巻き付くよう。工夫されてます。スピードの中にしっかりとした表現があります。ツイズルはまずまずの出来。CiStは音楽にしっかりあわせながら、なめらかなエッジワーク。ダンススピンは足をかえる間に1つ表現を入れてますね。SeLiはポジションチェンジが音楽とぴったり一致。RoLiもベイツが上下させながら回転。終盤になってもスピードも落とさずDiStに。キープしながらちょっとペアのDsっぽいStLiでフィニッシュ!いい出来でした!ここまで物語表現ができるようになってきたんですね。163.93。シーズンベスト出ました!

カナダのウィーバー・ポジェ。すごいカナダ国旗が振られています。プログラムは彫像に恋するピグマリオンを表現しているそう。CuLiはその表現をのっけからうまく表現。SlLiも彫像とダンスしているよう。さすがの表現ですね。CiStはほんとに練習できてないのかという出来。ツイズルもしっかりですね。観客も大声援で後押し。音楽を変えて不安や悲しみも表現。終わりの表現がまたテーマにぴったり。CuLiはウィーバーのポジションが完璧にまっすぐ。やわらかさと固さを自由自在に。そしてRoLiの美しい一体感のある表現。クライマックスまで一連の物語が紡がれました!ばっちり!こんなエモーショナルなプログラム、久しぶりに見ましたよ!会場中がすごい感動に包まれていました。練習も十分できてないやろうに、今のベストを全部出せました。166.20。SPの分は十分取り戻したでしょう。やりましたね!

最終グループ。

カナダのヴァーチュー・モア。「カルメン」。もう2人が一体になってる。すごいテンションの高い入りから、一人胴上げっぽいCuLi。このへんのアクロバティックなリフトはさすが。動きが見事に一体に。ツイズルはとてもよかったですが、最後のポーズはあいませんでしたね。ダンススピンは1つになったようなポーズがとってもよかったのですが、CiStはいつもの流れが若干スムーズじゃなかったかも。SlLi+RoLiの流れはとてもスムーズでした。気迫十分のダンス部分からDiSt、2人のかけあいが物語を作ってます。そういえばカルメンってこういう話だった。そして新しいレベルのRoLi!飛び移って回転しながら縦から横にポジションチェンジしてます!フィニッシュまで強烈なインパクトを残していました!いやーすばらしいです。2人の関係性を一体になった表現で描き出す、そして最後は正面を見据えるカルメン。今までに無い新しいカルメンでした。185.04。

おおー!客席にパトリックちゃんとロシェット姉さんが!やっぱりカナダのツートップはこの2人なんですね。早く戻ってきて姉さん!

イタリアのカッペリーニ with L。順番が悪い上に演目も「カルメン」とかぶってます。がんばれカッペリーニちゃん!ツイズルはしっかりあわせてましたし、動きもいいですね。SlLi+RoLiはしっかり時間を使って、空中でひっくり返して回転。いい技身につけてますね。CiStはカッペリーニちゃんがいい雰囲気を作り出してます。SlLiはいいポジション、間をおかずにRoLiはすばらしいポジションでまわってました。DiStからクライマックスに向かう濃密な物語は、今までとは違う高みにいったような気がしました。がんばりましたね。168.04。ただただ順番が悪かった。

アメリカのデイヴィス・ホワイト。「パリのノートルダム」。ダンススピンから入ります。いきなり物語の世界をしっかり構築。トップスピードにのせてRoLiは回転速度とポジションチェンジが限界まできてます。DiStもあっという間にはじっこまでいってしまうスピードと、ゆるがないユニゾン。滝野さんも「これ以上あわせようがないほど音楽に合ってる」。ツイズルも高速でばっちり。CuLiも音楽の切れ目なのに音楽にあってる。目線の合わせ方もそれだけで1つの表現。片足だけでスパイラルのような動きのあとCiSt。ちゃんとチェンジオブペースもつけてるし。トップスピードでぐるぐるまわるだけじゃない。そしてSlLi、RoLiにいくインパクト。クライマックスでは会場を完全に支配していました。あまりにもすごすぎました。カナダの観客もスタンディングオベーションでした。189.56。10点満点が19個出てるみたいですよ。SD、FDともに、GOEプラス3ストレートが出たらしいですよ。

ロシアのボブロワ・ソロヴィエフ。「トスカ」を使って、精神を病んだ男性とお見舞いにきたガールフレンドの物語だそう。いいチェンジオブペースからのRoLiは高速で、ツイズルもとてもあってました。CiStはフリーレッグもしっかりあわせてましたし、ダンススピンのポジションもきれい。SlLiやCuLiで揺れ動く感情表現をしっかり。表情もよくつけてます。DiStも性急な音楽に乗せてスピードがあったし、最後も難しいフィニッシュでした。迫力ありましたねー。意欲的な作品でした。きっとこれで実力を大きくのばしていくはず。169.19。

最後はフランスのペシャラ・ブルザ。この人達が残ってました。またえらい衣装きました。ローリング・ストーンズ・メドレー。RoLiへ至る過程もすばらしくアグレッシブ。DiStはもう足下よりもアピールする余裕をしっかり。難しさを感じませんね。CuLiのポジションがすごい独創的。すごい。あれ自体が表現。ツイズルは少し乱れましたね。SlLiは移動もスムーズだし、流れにのってます。CiStはスピードが落ちてますね。がんばれ。ダンススピンもがんばってます。最後はのりよく決めてくれました。ベストの演技ではなかったんですが、最後はこんな感じの明るい演技でよかったですわ。165.60。

○最終結果(あまちゃん的に):
1. じぇじぇじぇじぇじぇじぇデイヴィス・ホワイト
2. じぇじぇじぇじぇじぇヴァーチュー・モア
3. じぇじぇじぇじぇボブロワ・ソロヴィエフ
4. じぇじぇじぇカッペリーニちゃん with L
5. じぇじぇウィーバー・ポジェ
6. じぇペシャラ・ブルザ
10. じぇじぇじぇじぇじぇじぇじぇじぇじぇジぇガンシナ・ガジぇじぇじぇじぇじぇ

優勝はデイヴィス・ホワイト。もう文句のつけようがない演技。常に向上を続けながら、新しい表現をどしどし加えながらも、物語を紡ぐのをやめない、どんどん紡ぐというところがすばらしすぎます。最後のフィニッシュは生きることのすばらしさすら伝えられるものでした。すばらしいです。2位はヴァーチュー・モア。しかし新しい表現、新しい芸術に挑戦し、見事にそれを完成させていました。この経験で大きくなって、オリンピックに臨むというところでしょうか。楽しみです。

3位はボブロワ・ソロヴィエフ、4位はカッペリーニちゃん with L。いずれもすばらしい演技でしたが、いずれも順番が悪かったです。なにげにカッペリーニちゃん with Lの4位は大快挙なんですが。5位はウィーバー・ポジェ。ぶっつけで世界選手権出場でしたが、ものすごいプログラムをもってました。あれが完調なコンディションでみられたら3位は間違いなかったでしょう。大きくなりました。6位はペシャラ・ブルザ。大丈夫、完調ならメダル争いに参加できますよ。楽しくロックなプログラムが最後でよかったです。

今回1位、2位のカップルと同じくらいに存在感のある演技をしてくれたのが、ガジおじさんとジガンシナのカップル。新しい地平をひらいてくれました。だってあの演技!最終グループの演技がなかったら、間違いなくあのガジおじさんの顔だけが残る世界選手権になってしまっていたと思います。そして富井と2人で話していたのですが、リフトって時にはなんでそんな体勢で滑るねん!みたいなときってありますよね?今回のガジおじさんの演技はそれが全部自然だったというか。変な体勢であればあるほど、ああゾンビならそういうことあるよねって思えました。リフトは何のためにやるのかという根本に迫る演技。なんか久しぶりに刺激を受けました。どんどん技術を積み重ねて、世界を驚かせてください。ガジおじさん・ショック・ザ・ワールド!