全日本フィギュアスケート選手権2019(4):男子シングルFS

レビューをしていると、実写版「CATS」の予告を見ました。この映画は妙に酷評されてて逆に見たくなっている富井です。しかし、舞台を見慣れているせいかイマイチ不気味さがわからず、ちょっと残念でした。見に行くべきか、見なくていいのか考えどころですが、とりあえず男子シングルFSです。これは見たかった(終わって2日経っていますが)
解説はホンダバン。実況は西岡さん。
高橋大輔。SP14位。「Pale green ghosts」3Fはきれいに入りました。3A+2Tもやや着氷が乱れましたがOK。3Sも成功。すぐにシットスピン。ステップシークエンスは足元と上半身が連動している高橋らしいステップ。3Aは途中で開いてしまい転倒。3Lz+2Tは成功。3Loも入り方が工夫があります。3Fは転倒してしまいましたがまずまずジャンプをそろえてきました。コンビネーションスピンはちょっと短いかな。コレオシークエンスは音楽と合ってて素晴らしい。コンビネーションスピンもいいですね。SPは自由な感じでしたが、FSは競技会用のプログラムでしたね。素晴らしい最後だったと思います。・・・て、もう一回戻ってきてもいいと思いますよ。204.31
中村優。SP10位。「ロクサーヌのタンゴ」ほか。4Sは転倒。3A+2Tはいいですね。3Fもいいジャンプ。シットスピンもまずまず。1Aになってしまいましたがつづけて足換えのコンビネーションスピン。3Lzの予定がシングルに。3Lo+1Eu+3Sはきれい。コレオシークエンスもいい。3Lzは足をついてしまいました。ステップシークエンスはスピードがありました。コンビネーションスピンも回転が速い。193.39
須本光希。SP12位。映画「イル・ポスティーノ」より。3Aはやや着氷が乱れましたがOK。3Fは流れのあるジャンプ。3Lzもいいですね。3LoもOK。シットスピンは手が面白い。コンビネーションスピンもオリジナリティがあります。ステップシークエンスはスピードはないけど美しい。2A+1Eu+3Sは流れのあるジャンプ。3F+3Tはセカンドの方が高くていい。キャメルスピンもOK。コレオシークエンスはイーグルが美しい。2A+3Tも流れがあっていいジャンプ。後半にコンビネーションジャンプを固めて、それを全部成功させたのが良かったですね。220.28
今のところ1位は山本草太。山本草太が1位なら高橋と一緒に録画放送して欲しかった・・・・。
友野一希。SP11位。振り付けはミーシャ・ジー。映画「ムーラン・ルージュ」より。4T+3Tは高さがある大きなジャンプ。4Sも高い。素晴らしいジャンプだなあ。3A+3Tも素晴らしい。あれ、友野ってこんな選手だっけ?ステップシークエンスは音楽のとらえ方がすごい。シットスピンはOK。腰が高いかと心配しました。2Loになってしまいましたがこれから、これから。3Aは見事。コンビネーションスピンも回転が速い。3Lz+1Eu+2Sはちょっと残念だけど成功。3FはOK。コンビネーションスピンも回転が速くていい。コレオシークエンスも曲に合ってていい。すばらしい!マラジェッツ!!ズーパー!!友野のイメージが変わりました。ジャンプは高いし、音楽表現も素晴らしい。泣いても当然の出来ですよ、これは。244.69
本田ルーカス剛史。SP9位。映画「007シリーズ」より。3Aは何とか着氷。もう一度3Aでしたがステップアウト。続いて2Loと緊張しているよう。シットスピンはOK。3F+2TはOK。3Lz+3Tは高くていい。2A+1Eu+2SもOK。コレオシークエンスも面白い。音楽からしてもダニエル・クレイグだね。コンビネーションスピンもオッケーです。ステップシークエンスは拳銃を構えながら。爆弾はなくていいのか?3Lzはいいジャンプ。コンビネーションスピンも面白い。最後のポーズと最初が同じというのもシャレオツですな。209.96
木科雄登。SP8位。映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」より。3A+2Tはアクセルが素晴らしい。続く3Aは転倒、もったいないなあ。シットスピンは回転が速い。3Lo+3Tも成功。3Lzは転倒。ステップシークエンスもOK。2A+1Eu+3Sはなんとか成功。コレオシークエンスもイーグルがかっこいい。3Fの予定が2回転に。キャメルスピンは回転がもう一つ安定しなかったかな。3Loも成功。コンビネーションスピンは回転が速くていい。198.77
鍵山優真。SP7位。映画「タッカー」より。4T+2Tは大きなジャンプ。3Loはオーバーターン。4Tも幅がある。素晴らしい。3A+1Eu+3Sは流れが素晴らしい。キャメルスピンも上手。シットスピンも難しいポジションだ。ステップシークエンスも手の使い方が上手。バランスの取り方がいいですね。3F+3Tも素晴らしい。3Lzも見ていて気持ちがいい。3Aも素晴らしいジャンプ。コレオシークエンスもいい。コンビネーションスピンも素晴らしい回転スピード。おお、ノーミス!!ジャンプでスピードが全く変わらないのがいいですね。お父さんもこれは嬉しいよね。257.99
島田高志郞。SP5位。映画「アーティスト」より。4Tは手をついてしまいました。いいジャンプに見えたのですが。3A+2Tは安全に。3Loも流れがあります。2Fになってしまったのはもったいない。キャメルスピンも形が美しい。ステップシークエンスは華があります。2Aになってしまったのはちょっと残念。3Lz+3Tはよくこらえました。単独の3Lzは転倒。コレオシークエンスはまずまず。足換えのコンビネーションスピンはいい。コンビネーションスピンも回転が速い。うーん、ちょっと残念な出来でした。来年もこのプログラムでやって欲しいなあ。212.24
佐藤洸淋。SP6位。「交響曲第五番『革命』」4T+3Tは成功、これは大きい。3Aも着氷しました。もう一度4Tに挑戦しましたが2Tになってしまいました。キャメルスピンはまずまず。ステップシークエンスもOK。3A+2Tも成功。シットスピンもOK。続くジャンプが2Lzになってしまいました。がんばれ。しかし3Fは成功。コレオシークエンスはイーグルがいいですね。最後の3Loは軸が斜めになってしまいました。コンビネーションスピンはややトラベリングしたもののダイナミック。215.23
田中刑事。SP4位。映画「シャーロック・ホームズ」より。4Sは大きなジャンプ。4T+2Tもいいジャンプ。3Aもこらえました。コレオシークエンスのイーグルの雰囲気もいい。キャメルスピンの終わり方が好き。3Fも素晴らしい。3Tになってしまったのがちょっともったいない。シットスピンもOK。3A+1Eu+3Sも難しいかと思いましたがちゃんとコンビネーションに。3Lzも成功。コンビネーションスピンもベテランの安定感。ステップシークエンスも音楽表現が上手いのと最後のポーズがかっこいい。さすが宮本賢二さんの振り付けだなあ。選手のかっこよさを引き出しますよね。252.44
佐藤駿。SP3位。「ロミオとジュリエット」4Lzは惜しいところで転倒。もうちょっとだった。4T+2Tは見事成功。2回目の4Tも高い。コンビネーションスピンはまずまず。3A+3Tも成功。シットスピンはいいスピン。3Aはきれいなジャンプ。3F+1Eu+3Sも成功。ステップシークエンスはまずまず。3LoもOK。コレオシークエンスは音楽によく合ってロミオっぽい。コンビネーションスピンは変化のバリエーションがあっていい。もう少し回転が速ければもっといいな。246.50
宇野昌磨。SP2位。「Dancing on my own」4Fはやや危ないかと思いましたが見事な着氷。4Tも上手く着氷。3AはOK。3Loは手をついてしまいましたがたいしたことない。キャメルスピンはさすがに上手い。4T+2Tは見事なジャンプ。3S+3Tもいい。3A+1Eu+1Fはアクセルの着氷がもう一つだったところから3連続に。ステップシークエンスにはうっとり。コンビネーションスピンも回転軸が素晴らしい。コレオシークエンスは宇野の得意技。コンビネーションスピンは回転が速い。よくまとめました。ほんとグランプリシリーズに比べたらすごいです。最高ではなかったですが、実力は発揮できました。思わずランビエールに抱きつく宇野。よく立ち直りました。290.57
羽生結弦。SP1位。「Origin」4Loはステップアウト。4Sは素晴らしいジャンプ。コンビネーションスピンも美しいなあ。ステップシークエンスはやや元気がないかな。2Lzになってしまいました。4Tもステップアウト。4T+1Eu+3Fも両足着氷。3A+3Tは成功。3Aが転倒。コレオシークエンスは美しいの一言。シットスピンも素晴らしいしコンビネーションスピンも高速回転。うーん、4年ぶりの全日本は疲れがたまっていましたかね。もう25歳。静養してもおかしくないところをずっと出続けるのは見る方が考えるよりものすごいことなのではないでしょうか。なのに、ジャンプ構成が難しすぎますよ・・・。282.77
○最終順位(いだてんぽく)
1.やっぱり宇野はとつけむにゃあ男たい
2.やっぱり羽生はとつけむにゃあ男たい
3.やっぱり鍵山はとつけむにゃあ男たい
4.やっぱり刑事はとつけむにゃあ男たい
5.やっぱり佐藤駿はとつけむにゃあ男たい
6.やっぱり友野はとつけむにゃあ男たい
1位は宇野。羽生に勝ったのは初めてですよね。コーチ変更からの不調、からの優勝ですから格別の経験になりました。おめでとうございます。とはいえ、これで宇野の時代が来るのかというと簡単じゃないと思うんですよ。2位の羽生はイマイチ燃えてなかった。人並み外れた闘争心が今回は見えませんでした。もし誰か「もうお前の時代は終わったんだよ」とか「じじいが」とかうっかり言おうものならトム・ブレイディ(NFLの生きる伝説・チームを6回優勝させている。そしてじじいと言う度に復活する)並みにオリンピック3連覇してしまうような予感がします。とはいえ、ちょっと休養の取り方を考える必要があるでしょうね。とにかくしばらく休息だ。
さて、別次元にいる2人は置いといて、3位以下が非常に興味深いものでした。正直、女子の方が面白いと思ってたというか、そう書きました。でも、男子もレベルが高くなってきましたね。ごめんなさい。
3位の鍵山は踊れる選手というのがキャッチフレーズだけど私はジャンプが素晴らしいと思います。ジャンプに入る前と跳んだ後が同じスピードに感じるのは羽生結弦のよう。あのレベルまで行けるんじゃないかと密かに期待。お父さんが3位確定であんぐりしていたのをとらえたのは、ぐっじょぶ。4位の田中もすごく伸びた年だと思いますが、他が急成長しているのでさらにジャンプの精度を上げていかなくてはですね。でも、それ以外は本当に上手くなった。5位の佐藤駿はSPより緊張してしまいましたね。もっと気楽な順位だったら4Lzは成功したような気がします。ジャンプの加点ももっとついただろうな。
そして個人的に感動したのは6位の友野一希。こんなに大きなジャンプが跳べる選手でしたっけ?元々音楽表現はいいものもってていい成績を残すこともあるけど、正直もう一つだと思っていました。しかし今回のFSはジャンプミスもありましたが素晴らしかったし、一番心に残りました。ジュニアの鍵山・佐藤、上の羽生・宇野と強敵ですし、他の選手もどんどん上手くなっていますが、私は友野のFSを見て町田樹が急激に伸びた時を思い出したんですよね。あの時町田は盤石だと思われていた高橋・織田・小塚を蹴散らしてオリンピック代表になりました。ああなるんじゃないかというほのかな予感があります。がんばって欲しいです。

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全日本フィギュアスケート選手権2019(4):男子シングルFS への3件のフィードバック

  1. ぱんださん のコメント:

    来年の映画始めを何にしようか悩んでおります。
    ヨーロッパ映画(特にドイツと北欧)が私の既定路線ですが、
    来年こそはインド映画にチャレンジしてみたく。
    大抵上映時間が120分越えなので、自分が持つのかが大問題。
    いやぁ。
    地元で練習してる選手が
    (しかも新横浜ではなく東神奈川ってのも個人的にツボ。よく前を通るのだ)
    全日本の表彰台に乗るのを見る日がくるとは。激アツでございます。
    やわらかくて流れる着氷ができるジャンプ+踊れる鍵山氏、ヤバいです。
    今回のMVPはパパさんのびっくり顔を抜いてくれた、フジテレビのカメラマンとスイッチャーにぜひ。
    通学先の高校のfacebookなども、夜更けに更新かかってました。
    夜中に祝の垂れ幕や、ポスターなど発注してたかも。お疲れさまです。
    四大陸選手権で大舞台のシニアデビューするとのこと、世界ジュニアの前に見せつけてこい!
    そして昔スイス行った時に認知度低いと思い知らされた、Yokohamaを有名にしてくれ(笑)
    ま、ラグビーの決勝とかあったので、以前よかちょっと名は通ったかもですが。
    友野さん、ミーシャ及びチームがいろいろチャレンジさせた甲斐が、ついに実った気がします。
    セントラルスポーツさん(スポンサー)、今後ともよろしくお願いいたします。
    宇野さん、ステファン及びシャンペリーのチームといい関係ができてよかった。
    演技前の表情がすごくすっきりしてたので、これは!!と思ってました。
    ミズノさん(スポンサー)、今後ともよろしくお願いいたします。
    ミズノショップのtwitter (@mizunoshop)の中の人、かなーりはしゃいでます(笑)。
    ぜひ見に行ってくだされ。
    前半の選手も、BSフジさんがガッツリ流してくれたので、
    家で友人とあーだこーだ言いつつ長時間観戦できたのは、
    うれしかったのですが、かなーりへろへろにもなりました。若くねーな…
    引退してセカンドキャリアに向かう方も多いのが、全日本の切なさ風物詩でもあります。
    全てのスケーターに、豊かな恵みと愛に満たされた未来がありますように。
    富井さん、マイクさん、どうぞよいお年を。
    そして、はっぴーほりでー♪

  2. ぎー のコメント:

    海外の選手はグランプリシリーズは軽く流して、ナショナルにピークを合わせると聞いたことがあります。
    グランプリシリーズで消耗してしまって、全日本で息が切れてしまうのは…なんとかならなかったのかな、と思います…。
    ジュニアクラスに「三羽烏」と呼ばれている将来有望な男子が3名いるという噂は知っていましたが、
    そのうちの二羽が出てきましたね。
    男子シングルの未来が明るいようで嬉しいです!

  3. 富井副部長 のコメント:

    ぱんださん、ぎーさん、コメントありがとうございます。
    >ぱんださん
    >やわらかくて流れる着氷ができるジャンプ+踊れる鍵山氏、ヤバいです
    すごかったですね!こんなに素晴らしい選手がいるなんて驚きでした。地元にスターの卵がいるんなんてうれしいですね。
    >友野さん、ミーシャ及びチームがいろいろチャレンジさせた甲斐が、ついに実った気がします。
    あれは本当にすごかったですね。2回転が2つあってのあの点数なので、完璧にやりきったら羽生・宇野の上を行ってもおかしくないポテンシャル。めちゃくちゃ期待しています。
    宇野くんもよかったですよね。あんなにランビエールと相性がいいとは。ランビエールも女性の振り付けの方が、ずっと男子はランビエールだけに振り付けていたのでそこは同じだなと思っていたので感性が似ているのかな(すごいこじつけですが)
    インド映画は長いので家で見るのもいいかもしれませんね・・・。バーフバリは超オススメです。
    >ぎーさん
    >海外の選手はグランプリシリーズは軽く流して、ナショナルにピークを合わせると聞いたことがあります
    それはありますよね。特にアメリカは国内で勝つのが世界で勝つより価値があるとか。次のオリンピックはバンクーバー以上の大激戦になりそうなので、その辺が大事になりそうです。
    >ジュニアクラスに「三羽烏」と呼ばれている将来有望な男子が3名いるという噂は知っていましたが、
    まだもう一人いるのですか!!なんという恐ろしい世界。
    男子シングルの黄金期は羽生・宇野時代がピークだと思っていたのですが、まだまだ続きそうですね。私も嬉しいです!!

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