2005年4月25日

フィギュアスケート実況&解説者総覧(2)

実況&解説者総覧の第2回です。ほんとは解説者の方にしようと思ったのですが、やっぱりアナウンサーの方にしました。

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フィギュアスケート実況&解説者総覧

第2回 刈屋富士雄アナウンサー
静岡県出身 アナウンス室所属


森中さんと並ぶNHKフィギュアスケート実況の要。森中さんのいいところを受け継ぎながらも、独自の味を出している。

刈屋さんの名前を有名にしたのが、昨年のアテネオリンピックの体操の実況。例の「栄光への架橋だ!」というやつである。ある意味これが刈屋さんの能力の一つ「決めぜりふ」である。森中さんよりは事前に考えていそうなものが多い。「栄光への架橋」ももちろん考えているが、昨シーズンのGPファイナルでのプルシェンコの演技が終わった時、『うーん!これがプルシェンコ。誰と争うということではなくただプルシェンコがいるだけ』というのは代表か。これはソルトレイクの時に「あとはヤグディンがヤグディンであることを証明すれば」というのと、アテネの体操で「あとは富田が富田であることを」という感じで、刈屋さんの得意フレーズ。ヤグディンは森中さんだったか?

もちろんその場でぱっと出てくる決めフレーズも見事。実は刈屋さんも結構ロマンチックなのが多いのだが、例のポエムアナと違うのは、それまでの実況の的確さと、ズバリキャラである。そういうのはいっていい人と悪い人がいるのである。「だまらっしゃい」は大論陣時の孔明なら許せるとか、「ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!刻むぞ血液のビート!」というのはもうジョジョにしかいえないとか。そんなロマンティックフレーズを集めてみると、ビクトリア・ボルチコワ、曲は『ラブ・ストーリー』。終わった後の刈屋さんの一言がこれである。

「うーん、優雅にしっとりとラブ・ストーリー」
うきゃー!うきゃー!でもこれがありなのである。それはやはり、気持ちがこもっているから。演技の素直な感想を、しっかりこめているから。事前に考えてたんじゃないの?という意見もあるかもしれないが、これはアドリブだと思う。もう一つ、たぶんエレーナ・ソコロワの「ロミオとジュリエット」の演技だと思うが、これ。
「うーん、しっとりと、ジュリエット」
もきゃー!もきゃー!ってさっきのとだいたい同じだ。これを引用して気づいたのだが、なんだか刈屋さんのこういう感想は、相手を立てているというか。自分が上になって鼻にかけるようにいうのではなく、あくまで演技を讃えるという姿勢があるから、ありだなとも思えるのだと思う。そして荒川姐さんの同じロミジュリで、姐さんの目指すテーマをご紹介。『強い思いを持った女性、恋する女性の人を思う強い心と柔らかさ』。これをもう情感たっぷりにいわれた日にゃ。

それから決めぜりふのもう一つの特徴は、演技が終わったあとの選手の感想みたいなところをずばっということ。意外に辛いところもあるがが、それも魅力である。たとえばエレーナ・リアシェンコのあんまりよくないときには『キメのポーズをすぐに解いてしまったということはあまり納得できる出来ではないということでしょうか』。カロリーナ・コストナーのフィニッシュに指を唇に当てるポーズの時には『最後のミスは黙っててねという感じでしょうか』。これが意外に不本意ではない演技を見た後でも、いいフォローになっているという感じ。あとは演技が始まる前だが、プルシェンコのファイナルの前には『銀メダルをさっさとポケットにしまってしまったソルトレイクから3シーズン目』。カナダ大会、恩田の見事なFSのあとには『去年はいつも悩んでいるような表情でしたものね』。もういうたらんとって。

この決めぜりふ以外の実況ももちろんすばらしい。これは刈屋さんのメインフィールドである、大相撲で鍛えられているといえよう。大相撲は筋書きがない上、流れをしっかり伝えながら、なおかつ熱狂を伝え、そして最後に決まり手を自分の目で判断しないといけない。NHKの相撲実況の中でもレベルの高い刈屋さんの実況は、フィギュアスケートでも遺憾なく発揮されている。その特徴は、自分の気持ちに素直に感想を述べるということである。どちらかというとわれわれ視聴者の気持ちに近い実況をしてくれる。その辺はうまく解説者とバランスをとっているが、このあたりが、立場上完全に上の大相撲解説者とバランスをとってきた経験が生きているといえるのである。

早稲田ボート部出身、華麗な経歴から対外的にはNHKきってのイケメンアナウンサーとして知られているのだが、実は三つ子のおこさまのパパ。教育番組のキャスターを務めるなど能力は多彩。とりあえずフィギュアスケートがオフの現在、刈屋ファンは大相撲を見ればいいと思う。毒舌ご意見番北の富士さん、知的分析力あふれる舞の海さん+刈屋さんは今や大相撲実況のトリプレッツ。大相撲を一番楽しく見せる3人である。

投稿者 マイク松 : 00:08 | フィギュアスケート

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2004年の言葉。とりとめもなく。

 年が明けてからこういう企画をやるのはいかがなものかという気がしないでもないが、

見物人の論理 : 2005年4月25日 19:44

刈屋さんインタビュー@ほぼ日

トリノオリンピックの時、「観たぞ、トリノオリンピック!」という企画をやっていた「ほぼ日刊イトイ新聞」ですが、今日、何気に覗いてみると、「オリンピックの女神はなぜ荒川静香にキスをしたのか?」という連載...

あかねこブログ フィギュアスケート館 : 2006年6月5日 21:42

コメント

刈屋さんの記事、面白かったです、ありがとうございました!
言葉の内容は熱いけど、刈屋さんの場合は上品な感じがしてうるさくないのがいいと思います。
特にプルシェンコの解説をさせたら右に出るアナはないでしょう。トリノ五輪でも実況してほしいですね。

投稿者 fsjournal : 2005年4月24日 23:52

前回の森中さんといい、いいですね、このシリーズは。愛読してます。よくまあ細かい描写を覚えておいでで(笑)。ご本人たちが読んだら、すごく喜ぶでしょうね。
刈屋さんのアテネ中継については、前にちょっと書いたのでTBさせてもらいました。お邪魔でなければ。

投稿者 念仏の鉄 : 2005年4月25日 19:50

fsjournalさん、鉄さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

>fsjournalさん

> 特にプルシェンコの解説をさせたら右に出るアナはないでしょう

おっしゃる通りですよね!なんだかプルシェンコに対しては愛のようなものを感じます。
ヤグディンの下での不遇の時代をずっとみてきているからでしょうか。
トリノではぜひ、「エッジを変えながらのコンビネーションスピンは、栄光への回転だ!」とかいってほしいです。まあ彼が優勝する時はそれほど盛り上がらず圧勝という感じでしょうけど。

>鉄さん

> 前にちょっと書いたので

そうそう、これ探していたんですよ!2月までは探したんですが。惜しい。
TBありがとうございます!こちらもあらためてTBさせて頂きました。

投稿者 マイク松 : 2005年4月26日 11:24

第二回目が早くも見られて嬉しいです!刈屋アナの名台詞「あとはヤグディンが、、、」は私もよく覚えてます。「途中、自分の勝利を確信しました」と併せてその時のヤグディンの状況と演技にマッチしていてたと思います。 相撲の実況はやはり刈屋アナが一番ですね。あの静かな声は落ち着きます。アテネでの興奮ぶりは普段の彼の実況を知っている分、気持ちが伝わってきました。solt fieldアナとの違いは低い声が心地いいことでしょうかね。かっこつけていないと言いますか。情感を込める場所がやはり適切ですよね。

投稿者 夷隅 : 2005年4月26日 18:41

名実況とのうわさをかねがねから聞いていた刈屋さんの登場!今回も興味深く読ませてもらいました。
で、字面にすると結構照れくさいこと言ってるな〜、と思ったんですが、これを説得力を持って言えるなんて、ただ者ではないですね。(ひょっとして、例のポエムアナは形だけマネしようとしたのかな?)
フィギュアの華やかな世界にすごくマッチしてると思いました。早く実際に聞いてみたいです。

投稿者 tomo : 2005年4月26日 20:52

夷隅さん、tomoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

>夷隅さん

さすがお目が高い。刈屋さんのいいところは臨場感ですよね。それは相撲で鍛えられていると思いますが、すごく選手の気持ちにマッチしているというか。
相撲アナウンサーはほんといろいろ個性があって、相撲版もできるんじゃないかと思います。
そう!普段の落ち着きとのギャップが胸を打ちましたよ僕も。そういうエキサイティングな実況もできるんだと感心したのを覚えています。

>tomoさん

そう、ただものではないんですよ〜。僕も文章では書けますけど、ちょっと口にはなかなか。それだけプログラムに理解があるということなんでしょうね。なぜか男子の実況が多いのですが、きっと美姫ちゃんの演技もばっちりやってくれると思いますよ。その確信があるから、やはりポエムはあかんと思ってしまうのです。

シリーズはもうすぐ続きますので、引き続きよろしくお願いいたします!

投稿者 マイク松 : 2005年4月26日 22:35

森中アナ、刈屋アナの記事興味深く読ませていただきました。ありがとうございました。
私も両アナの実況が好きです。

解説者に移る前に、もう一人アナの記事をリクエストしたいのですが...。
NHK杯のエキシビ担当の女性アナをお願いします。力量は、森中・刈屋の両アナよりは劣る(失礼!)と思うのですが、マイク松さんの手にかかるとどんな記事になるのか読んでみたいので、是非お願いします。

力量が劣るといってもポエムアナ(なんか色んなblogでこの呼びかた定着してますね)より断然いい、というか次元が違うと思いますけどね。

投稿者 ディー : 2005年5月4日 01:02

ディーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
喜んで頂けてうれしいです!

> NHK杯のエキシビ担当の女性アナ

こちらは黒崎めぐみアナウンサーですね。黒崎さんはスポーツ実況とはまったく縁のない方なのですが、今見直してみると(いつでも見直せます)、なかなかいいですね。ちょこっとですが、リクエストにお応えします。順番に見ていきますのでちょっとお待たせしますが、ご了承ください。

NHK杯エキシといえばナフカ・カストマロフ組の「オースティン・パワーズ」ですね。やってることはいちばんあほなのに、技術は一番高いという、WAHAHA本舗でも見ているような気にさせられます。
あとジョニー・ウィアーの15連続フライングキャメル。なにげにお宝映像なんじゃないかと思います。

投稿者 マイク松 : 2005年5月4日 17:50

昔の記事へのコメント失礼します。
「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトで、刈屋さんへのインタビュー連載が始まりました!
うちのブログで、このサイトへのリンクを貼っているのでTBさせていただきました♪

投稿者 ねこきち : 2006年6月5日 21:53

昨日の北の富士・舞の海とのコンビも面白かったなあ。
特に舞の海の勝てば昇進とか言ってくれればファンは楽しいのに的な発言に、そうでない場合には困るでしょうという北の富士のつっこみへのフォローとか

取組終了後の審判部の発表に対して、黙ってしまった解説陣へのフォロー。
やっぱり上手ですね

投稿者 無名 : 2006年7月24日 16:04

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