ケニアのご隠居ドゥングさんがおもしろかった

旅行から帰ってきたマイク松ですこんにちは。すごい疲れました。今日休みにしていてよかった。伊勢神宮にまたいってきました。

今日はびわ湖毎日マラソンをみていました。歴史の長いレース、冬の終わりのレースということで注目され、海外招待選手とともに日本選手もたくさん出ていました。

さて、今回のレースにはペースメーカーがついています。僕ペースメーカーが大好きなので、いつも離脱するまで応援しているのですが、今回は51番キムタイ・キプリモと、52番シラス・キムタイ、両方ともケニア出身、ハーフで1時間というタイムをもっています。1kmあたり3分くらい、30kmまで引っ張ります。

しかし今日は結構な雨。なかなかキプリモ&キムタイもペースをキープすることができず、上がったり下がったりしていました。うしろについている選手もしっかり従ってはいるのですが、合わせづらそうです。

するとどうでしょう、ゼッケン3番の選手がペースメーカーに対してもっと上げろとばかりに背中を押したりしています。この選手はサムエル・ドゥング選手。前から見ると頭巾みたいな帽子をかぶっているので、早速ご隠居というニックネームで追っていくことに。ご隠居はケニア出身で、昔日本の愛知製鋼で6年選手をやっていたそうです。初マラソンのびわ湖で優勝したことがあります。その時も雨だったので今回も大丈夫だといってました。

キプリモ&キムタイはケニアの先輩(たぶん)であるご隠居のいうことは聞くのですが、他の選手が前に出ようとすると手で制します。オレがペースメーカーだと。その割に5秒~10秒くらいでペースが上下するので大変そうです。

ご隠居はとにかくうしろをきょろきょろきょろきょろしています。そして頻繁にキプリモ&キムタイに話しかけます。言葉が通じるってすてき。給水ができなくてもジェネラルで補給。こんなに無駄な動きが多いとあとで大変なのではないかなと思いながら見守っていました。

折り返し地点があったのですが、キムタイが折り返しを把握してなくて、コースを間違えてしまい、だいぶ遅れてしまいます。がんばれキムタイ。するとご隠居がすっとキプリモの横について、ペースメーカーの役割を果たし始めます。ご隠居!ほんとに選手なんですか?キムタイはこれでだいぶ体力を使ってしまいましたが、なんとか先頭に戻ってきました。するとご隠居はまたキプリモ&キムタイと併走。

キムタイが疲れたせいでペースがなかなか上がらないのですが、ご隠居はキプリモ&キムタイを叱咤しペースをキープ。キムタイが下がってしまったあとはまたペースメーカーとしてがんばりました。まもなく30kmというあたりで、キプリモはご隠居に腕時計を渡しました。ご隠居は今まで時計もないのにペースを作ったり、キプリモ&キムタイに指示を出していたようです。腕時計をつけるのにご隠居はずるずる下がってしまったのですが、腕時計をつけたらささっと上がってまた先頭に。

とにかくご隠居は自由です。先頭グループを形成してからは、すすーっと反対側の道路にいってみたり、うしろに下がってみたり、また先頭に戻ったり。他の選手が前に出ようとするとすっと手で制したりしています。マラソンやから。出たい人は出ていいから。これだけ自由に走って大丈夫なんかなと思っていました。

するとペースメーカーもいなくなり、もう自分で自由に走っていいということになったとたんにご隠居が前に出て、どんどん走って行きます。みるみるうちに他の選手との差がついていきます。きょろきょろしなくなるとすごい速い。あっという間に2位集団を置き去りにし、ますます差がついていきます。2位集団はもうついていけないなと思うと牽制し合う展開になり、勝負はつきました。サブテンでゴールできたのはご隠居だけでした。すごい。

あとでご隠居にインタビューしてみると、2時間6分台でいきたかったんやけど雨やったし無理やった、雨風で大変やったけどペースメーカーともよく話し合ってがんばったといっていました。話し合ってたんや。そしてご隠居はほとんど日本語で受け答えしていました。途中英語になったけど日本語とそんなに変わらないクオリティでした。ありがとうございます。

びわ湖毎日マラソンは正直ドゥングご隠居の大会でした。マラソンはペースが大事とか、走りにリズムが大事とかいわれますが、ご隠居は無駄な動きは多いし、よく蛇行するし、ペースメーカーと話すしとペースやリズムとかとは無縁に見えます。それでもあれだけの力を残しているし、自分のリズムで走れるようになるとそこから他を圧倒する走りを見せました。世界との差を感じましたがそれよりご隠居には爽快な気持ちを感じました。そしてペースメーカーのキプリモ&キムタイ、おつかれさまでした。次は選手で走りみせてください!

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